寿町スタディーツアー

2022年12月11日

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寿町スタディーツアー

高校生有志が横浜YMCAユースコミュニティ主催の寿町スタディーツアーに参加しました

12月10日(土)に高校生の有志13名が横浜YMCAユースコミュニティ主催の寿町スタディーツアーに参加しました。
寿町は日本三大ドヤ街の一つで日雇い労働者の町として発展した歴史があり、現在は生活に困窮する方々が多く生活されています。桜美林中高は礼拝での献米活動を通じて寿町の支援を日本基督教団寿地区センターと協働して行ってきました。
しかし実際に現場に出かけたり、炊き出しや見回りなどの活動に参加したりすることは一部の生徒に限られていました。当日は路上生活体験者のお二人から、路上生活に至った経緯や路上生活のリアルな現状についてお話をうかがいました。またバブル経済崩壊以降の不況や経済政策の影響により路上生活者が増加した社会的背景と路上生活者に対する差別や偏見の問題についても理解を深めました。
その後、実際に寿町をグループに分かれて現状を見て回りました。多くの格安宿が立ち並んでいましたが、ここにも高齢化の波が押し寄せ、たくさんの高齢福祉サービス事業社が参入していました。
フィールド学習の後は、グループディスカッションを行い、解決に向けた方策を話し合い、それぞれの感想を分かち合いました。はじめて寿町に訪れる生徒たちが多数でしたが、日本の様々な課題が凝縮する寿町の現実にまっすぐ目を向けていました。
YMCAのスタッフの中には桜美林高校の卒業生もおり、また、寿地区センター前主任の三森妃佐子牧師も参加されており、懐かしい再会となりました。参加した生徒の中から「炊き出しなどのボランティアにも参加してみたい」という感想も聞かれ、ひとり一人の新しい行動の芽生えを感じることとなりました。

【生徒たちの感想】

📓 寿地区と聞くとどこからどこまでがとパッと見たらわかるイメージを抱いていましたが、実際はそうではなくて驚きました。歩いていると目にするたくさんの自転車、お酒を飲みタバコを吸う多くの高齢男性、鳩の群れなど、これらはすべて私たちの街にもある(いる)が、数が異様なほど多かったです。この様子は私たちのこれからの未来にも起こりうる構図だと思います。AI化によって職を失う可能性、高齢化、すべてが私たちの住む街の先の出来事で現在の日常の延長線上だと思いました。

📓 路上生活をすることは、何か事情があって仕方なくやっていることだと分かりました。路上生活をしてる人たちは「怠け者」ではないと知ることができました。また、お話のなかで住民の人が、路上生活者に対して彼らは何も悪いことはしていないのに、悪いことをしているかのように行政や警察に通報する事実に、自分たちは路上生活の人の理解と共存が大切なんだと気付かされました。

📓 お話を通じて、ホームレスの人の本当の心の思いや事情を知ることができてよかったです。市役所の人が寄り添ってくれない実態や、ホームレスへの差別意識がまだあるということを知って、今自分に何ができるか、何をする必要があるかを改めて考えさせられました。ホームレスになる事情や、実際は「汚い・怖い」というイメージ通りでは無いということを、みんなが知る必要があると思いました。そのために触れ合う機会が必要だと思いました。また、なぜこんなにもホームレスの人が増えたのかを知ることができました。解決に向けて経済をよりよくしていくことがどうしたらできるのかと考えました。実際のところは分かりませんが、政治家や、官僚の方々がホームレスに寄り添った政策や演説をしているイメージがないので、そこをどうにかすればいいのかなと思いました。お話をきいて、ホームレスを悪いイメージのままでとらえている人が多いことが問題で、触れ合う機会を作ることがホームレス差別根絶への第一歩なのだと思いました。